アスペルガーちゃんとサイコパスくん

アスペルガーちゃんとサイコパスくん

ホテルのラウンジでマルコとチェスをしていたらアレハンドラが遊びに来た。
マルコはチェスで5手先まで読めるらしく、チェスのルールをざっくり知っているくらいの私では歯が立たず連敗を重ねていたので、アレハンドラにマルコを倒してくれと頼みアレハンドラ対マルコのチェス勝負が始まった。

アレハンドラもルールは知っているが実際にプレイしたのは幼少期以来らしい。
しかし私はアレハンドラの知識の多さと頭の良さに期待していたのだが、今まで3,000戦以上の経験があり5手先まで読めるマルコには歯が立たない。

マルコは「BANよりアレハンドラの方が強い」と言っていた。

チェスを終えて3人でソファに腰掛け雑談。
なぜアレハンドラはホームレスなのか、アレハンドラの生い立ちから今までをマルコが根掘り葉掘り聞いていた。

しばらく会話をしているとマルコが突然「分かった(I got it)!!!!!!!」と叫ぶ。

『どうしたの?何が分かったの?』と聞くと「ちょっと待って、説明するからちょっと待って」とめちゃくちゃ嬉しそうに言う。
マルコ「ほら、あの、なんだけ、あれ!…そう、彼女はアスヘガーだ!」
私『アスへガー?』
マルコ「そうそう、アスへガー」
私『あ、アスペルガー』
マルコ「うん、アスへガー」
私『結構前から気付いてたよ』
アレハンドラ「え?私?」
私『うん、アスペルガーだよね』
アレハンドラ「違うよ」
マルコ「ボクは4年も医学の勉強をしてきたし、実際アスペルガーの患者にも会った事あるけど、君は間違いなくアスペルガーだよ」
アレハンドラ「ううん、私はアスペルガーじゃないよ」
マルコ「ちょっとBANネット検索出来る?アスペルガーの症状調べて」
私『スペイン語入力にしたから自分で調べて』

スマホをマルコに渡す。

マルコ「wikiで良いかな、アレハンドラ見てみ」と言いアスペルガー症候群の説明をスペイン語でしだす。
それを見てアレハンドラは「私も以前wiki見たけど私に当てはまらない項目もあったよ」
マルコ「wikiは完璧じゃないからね、でもボクは4年間そうゆう系の事を勉強してるんだよ」
アレハンドラ「私はちゃんとコミュニケーションとれてるからアスペルガーじゃない」
マルコ「そう思うだろ、でもそれもアスペルガー患者が思う事なんだよ」
アレハンドラ「スペインに友達だっているしアスペルガーじゃない」
マルコ「そうなんだ、スペインに友達いるんだ。ベネズエラにはいないの?」
アレハンドラ「私はコミュニケーションとれてるし。アスペルガーじゃないよ」
私『実際マルコと私はアレハンドラに会話合わせてる所あるよ。コミュニケーションが難しい事を理解した方が良いと思うけど』
アレハンドラ「私は普通だよ」
マルコ「そうアレハンドラは普通だよ」
私『え?』
いきなりのマルコの手のひら返しに驚きつつ、話を続けさせた。
マルコ「BANも普通だし、ボクも普通だ。アレハンドラも普通だよ。ただアスペルガーなだけでね」

私(なるほど)

アレハンドラ「でも私はアスペルガーじゃない。なんであなた達に私がアスペルガーって診断されないといけないの?」
私「別に診断してる訳じゃないけど、きっと君はアスペルガーだよ」
マルコ「BANがアジアンで、ボクがブラックなのと同じ様にアスペルガーもただの分類で普通なんだよ」
アレハンドラ「じゃあこのアメリカンジョーク知ってる?《ビヨンセはブラックだけどブラックじゃなくて、テイラー・スウィフトはブラックじゃないけどブラックって聞いてアメリカ人はみんな川に飛び込んだんだって》HAHAHAHAHAHA」
マルコと私(ポッカーン)
私『ごめん、全然笑いどころわからないや』
マルコ「ボクたちは英語能力低いからかな」
アレハンドラ「これで笑わないなんてBANもマルコもアスペルガーだよ、逆にこれを面白いと思う私はアスペルガーじゃないよ」
私『アメリカンジョークは笑いのポイント違うから分からないのかも』
マルコ「そうだね、全然笑えない事も多々あるから」
アレハンドラ「…とにかく私はアスペルガーじゃないの」
私『何でアスペルガーって認めないの?自分で認識した方が生きやすくない?』
アレハンドラ「だって私違うもん」
私『私も自分の事サイコパスって思うけど、自分で自分がサイコパスかも知れないって思った方が生きやすいけど』
マルコ「え?サイコパスなの?」
私『完璧じゃないけど、その要素多分に持ってるよ。人の気持ちにあまり共感出来ないもん』
マルコ「ああ、それサイコパスだね」
アレハンドラ「サイコパス?」
マルコ「例えばサッカーをしてて誰かが股間にボールが当たったとするじゃん。その時に周りの人は《うっわ、痛っ!》ってなるのに、サイコパスの人は《あいつが当たっただけでボクは痛くないよ》ってなるの」
私『うん、私は完璧後者』
マルコ「だから色んな人をナイフで刺しても痛いのは自分じゃないからって大量殺人も平気で出来るんだよ」
私『でも全人類の10%くらいはサイコパスなんでしょ?』
マルコ「それ多すぎ、2%くらいだよ」
アレハンドラ「私も自分で自分の腕切った事ある」
アレハンドラが腕を見せてくる。
マルコ「どこ?」
アレハンドラ「ここ、随分昔の話なんだけどね」
マルコ「今まで何回くらいリストカットした事あるの?」
アレハンドラ「一回も無いよ」
私・マルコ『えっ?』
アレハンドラ「リストカットなんてした事無いよ」
私『でも自分で切ったって言ったじゃん』
アレハンドラ「腕は1度だけ切った事あるけど、リストカットは無いよ」
マルコがこっちを見ながら「ね、アスペルガーでしょ」と笑いかける。

旅人とホームレスと医大生という奇妙な組み合わせで約4時間話し込んだ。
日本にいたらこんな体験はきっと一生しなかっただろう。
これも旅の醍醐味なのだろうか。



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