ベネズエラの通夜で子供達と戯れる

ベネズエラの通夜で子供達と戯れる

マラカイ到着

午前11時過ぎにマラカイに着いた。

私が寝ている間に葬儀屋と電話をしていたらしく、腐敗はしていないので問題なく葬儀が行えるとのことだ。

バスターミナルに着き父親のシャツを探す。

生前、彼女が父親にお土産をあげたところそれを別の人にあげた事があり、それ以来二度とプレゼントを贈っていないと聞いていた。

久しぶりのプレゼントがまさか葬儀用のシャツだなんて彼女も彼女の父親も思いもしなかっただろう。

シャツを選んでいる最中、彼女は涙が止まらなくなっていた。

その悲しみに共鳴してしまい私も少し涙ぐんだ。

バスターミナルで待っていると伯母さんが車でやって来た。

そのまま葬儀屋まで行き父親が到着するのを待つ。

待っている間に叔母さんから新しい情報を聞く。

最初に強盗にナイフで襲われたが、逆にそのナイフを奪い強盗を返り討ちにした。

それに腹を立てた強盗が拳銃を取りに家戻り、背後から彼女の父親を撃ったというのだ。

ここまでは昨日聞いていた。

南米の医療問題

彼女の父親は撃たれた後に8ブロック先の病院まで歩いたが、小さな病院だったので処置出来ず救急車を呼んだ。

しかし1時間以上経っても救急車は到着せずに、そのまま死んでしまったという。

救急車が到着しなかった理由は分からないが、彼女曰くこの街では良くある事らしい。

拳銃で撃たれた事件の場合、患者の治療中に敵対グループから襲撃されるリスクがある。

他にも助けようとして助からなかった場合には、死んだ側のグループが医者を逆恨みして殺す。

つまり拳銃で打たれた患者を治療することは医者にとってリスクが高いのだ。

葬儀場も同じ様な理由で拳銃で撃たれた遺体には貸さない場合が多いらしい。

通夜の準備

1時間ほどで父親の遺体が到着した。

中に運び込み死化粧と棺の準備をする。

結構な時間が経過した。

準備から2時間後、父親の兄弟の家に運び込まれ遺体が運び込まれ通夜の準備が始まった。

棺の周りに飾る花や親族に振る舞う料理の材料を買いに行く。

すでに到着している親族にも手伝ってもらい粛々と準備が進められた。

私はスペイン語が喋れないので隅っこで待機。

たまに彼女に呼ばれて親族に挨拶をするくらいだ。

あとは彼女が疲れたと戻って来た時に雑談に付き合う。

そうして準備が終わり次々と訪問客が到着する。

近所の人からかなり遠縁の親族まで総勢100人以上は来たんじゃないだろうか。

少し物悲しそうな人、泣いてる人、久々の親族との再会を喜んでいる人、酔っぱらっている人と様々な人が来た。

日本の様に喪主の挨拶などは無く、好きな時に来て好きな時に帰って行く。

都市によって細かいスタイルは違うがベネズエラは大抵がこんな感じだという。

一度祈りの時間が設けられ、遺体の側に特に親しい人が集められ祈りの言葉が発せられた。

子供たちと戯れる

しばらく1人で居ると何人かの子供達が絡んで来た。

小学生くらいだろうか少し英語が喋れるようだ。

 

男の子
元気?
BAN
元気だよ。君は?
男の子
元気だよ。ありがとう先生。

 

授業の挨拶を丸暗記していたのだろう。

アジア人が珍しいのか子供達が私の周りに集まってきて質問責めにあう。

スペイン語なので何を言っているのか全く分からない。

共通の話題を探す為に『ポケモン、ナルト、ドラゴンボール、ワンピース』とアニメの名前を連呼してみた。

すると一人の子が家の奥に行く。

そして手にはドラゴンボールのカードが大量にあった。

キャラの名前当てゲームが始まる。

ドラゴンボールはそこそこ詳しい。

『ゴクウ、ベジータ、ブルマ、クリリン、ゴハン、ピッコロ、デンデ、フリーザ、マスター老師(亀仙人)』

「亀仙人」が南米では「マスター老師」という名前なのは知っていた。

次々とキャラクター名を当てていくと、子供達からは尊敬のまなざしで見つめられていた。

しかし人造人間17号が出された時に一気にテンション下がる。

南米では人造人間17号は「17」と呼ばれているらしい、しかもスペイン語で。

Diecisiete(ディエシスィエテ)

そんなのが分かるはずがない。

子供達のテンションも一気に下がり一人、また一人と去っていく。

さっきまで「食べ物取って来ようか?」「飲み物いる?」とチヤホヤされてたのが嘘のようだ。

こうして男の子のグループが去って行ったあと、女の子が近寄って来た。

その子は男の子達とは違い話しかけずに近づいて興味津々に私の顔を覗き込む。

日本語で話しかけると笑い出す。

分からない言語で話しかけられると人は笑うという選択しかなくなる事を知る。

会話が出来ないならばと非言語コミュニケーションでいくつかのマジックを見せた。

 

拳を口に入れる
私の真似をして拳を口の中に入れようとしている。

そうこうしていると人の出入りはほぼ無くなっていた。

時計をみると2時近くになろうとしている。

急激な体調不良と鼻歌

彼女の様子を見に行くと従姉妹と雑談をしていた。

少し眠くなっていたので彼女に寄り添うと急に寒気がしてきた。

マラカイという街はかなり暖かいので夜でもそんなに冷え込む事は無いと聞いていたのに寒い。

バスの冷房対策で持ってきた厚手のジャケットを着込み彼女の膝枕で少し横になる。

すると耳障りな鼻歌が聞こえて来た。

「ラーラーララー」と単調な音なのだがずっと同じリズム、同じ音量で聞こえてくる。

誰か台所で歌っているのだろうか。

その鼻歌は30分ほど続いた。

寒気が増して体調が悪くなってきたので寝室に移動して横になる。

するとまたあの鼻歌が聞こえてきた。

薄れ行く意識の中で段々とその鼻歌が大きくなっていく気がした。



ブログランキングに参加してます。
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
にほんブログ村
応援のワンクリックお願いします。


See you again.

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で